
ゴールデンウィーク、お盆、年末年始——世間が「楽しい連休」と盛り上がるほど、なぜか心が重くなる。SNSを開けば旅行や家族の写真ばかり、街は家族連れであふれていて、「自分だけ取り残されたみたい」と感じてしまう。そんな長期連休のつらさは、けっして大げさなことではありません。この記事では、なぜ連休ほど一人の寂しさが強くなるのかを心理学の視点で解きほぐしながら、その時間を少しだけラクに過ごすヒントをお伝えします。読み終えるころには、長い休みとの付き合い方が少し軽くなっているはずです。
「連休がつらい」のは、あなたが特別なわけじゃない
長い休みほど、心は晴れやかであるべき——そんなイメージがあるからこそ、現実の静かな一日とのギャップに落ち込んでしまいます。実際、休みが長くなるほど”こう過ごせたら理想なのに”という思いとの差は大きくなり、普通の休日以上に気持ちが沈みやすいことが知られています(いわゆるホリデーブルー)。「みんな楽しんでいるのに、自分は何をしているんだろう」と感じてしまうのは、あなたの心が弱いからではありません。長期連休という状況そのものが、寂しさを増幅させやすいのです。
特に長期連休は、職場や学校といった毎日の”居場所”が一時的になくなる期間でもあります。普段は仕事仲間や顔なじみとの何気ない会話で気がまぎれていた人ほど、その接点がふっと途切れる連休に、いつもより強い孤独を感じやすいもの。家族や友人がいる人であっても、連休の静けさの中でふと寂しさを覚えることは、決して珍しくありません。
SNSの「楽しそう」が、なぜこんなに刺さるのか
人にはもともと、自分を他人と比べて確かめようとする性質があります。これは社会心理学者フェスティンガーが1954年に提唱した社会的比較理論と呼ばれるもので、中でも自分より充実して見える相手と比べることを「上方比較」といいます。連休中はSNSに楽しそうな投稿が一気に増えるため、この上方比較が起こりやすく、気分が落ち込みやすくなるのです。
でも、忘れないでほしいことがあります。SNSに並ぶのは、誰かの「いちばん良かった瞬間の切り取り」だということ。その裏側にある退屈な時間や小さな疲れは、写真には映りません。そして、比べてしまう自分を責める必要もありません。他人と比べるのは、危険や変化を察知して生き延びてきた人間に備わった自然な働きでもあるからです。大切なのは、比べる対象との距離を自分で少し調整してあげること。▶ つらいと感じたら、思いきってSNSを見ない時間をつくる。それだけでも、心はずいぶん軽くなります。
長い休みを少しラクに過ごす3つの工夫
特別なことをする必要はありません。ほんの少し、毎日に”手すり”を増やすようなイメージで、できそうなものから試してみてください。
① 予定を「点」で置いておく
何の予定もない時間が続くと、人はつい過去の後悔や将来の不安をぐるぐると考え込んでしまいます。1日に1つでいいので、「朝はパン屋に行く」「夕方に近所を散歩する」といった小さな予定を点で置いておきましょう。楽しみにしているテレビ番組や配信の時間を組み込むのもおすすめです。時間に区切りが生まれ、気持ちが落ち着きやすくなります。
② 生活リズムを崩しすぎない
連休中に夜ふかしと朝寝坊が続くと体内時計がずれ、休み明けだけでなく連休のさなかの気分まで不安定になりがちです(ソーシャル・ジェットラグ)。寝る時刻・起きる時刻のズレは、普段からおよそ2時間以内を目安にすると、心と体が安定しやすくなります。
③ 「少しだけ誰かと話す」を入れる
一日中まったく声を出さなかった、という日が続くと、孤独感はじわじわ深まります。短い電話やメッセージでも構いません。たとえば寝る前の数十分だけ誰かと話すといった小さな習慣が、長い連休の体感をやわらげてくれます。
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