
「来週、母の通院の日やけど、また仕事を休まなあかん」「父は一人で行けると言うけれど、帰りに転ばないか心配」。高齢の親の通院や買い物に、本当は毎回付き添ってあげたい。でも仕事や距離の事情で、どうしても行けない日がある。そんなふうに悩んでいる方は少なくないと思います。行けない日があるのは、親を大事に思っていないからではありません。この記事では、付き添いを誰かに頼むときに家族で決めておきたいことと、頼める範囲・頼めない範囲を、できるだけ具体的にお伝えします。
付き添ってあげたいのに、行けない日がある
親の付き添いで悩む方には、たとえばこんな悩みがあります。
▶ 平日の通院のたびに、仕事を休むのが難しい
病院の予約は平日の昼間が多く、月に何度も重なると、職場に言い出しにくくなっていきます。
▶ 親が「一人で大丈夫」と言って、頼ってくれない
子どもに迷惑をかけたくない気持ちから、本当は心細くても「大丈夫」と言ってしまう親御さんもいます。
▶ 診察で何を言われたのか、ぼんやりとしか伝わってこない
電話で「どうやった?」と聞いても「まあ、変わりないって」で終わってしまい、かえって心配が残る。そんなもどかしさもあります。
どれも、親のことを気にかけているからこその悩みです。全部を一人で抱えようとすると、付き添う側が先に疲れてしまいます。「家族が行けない日は、ほかの誰かに頼る」という形を作っておくのも、親を大事にする方法のひとつです。
医師の説明は、そもそも覚えにくいもの
「親に聞いても診察の内容がよく分からない」というのは、親御さんの記憶力だけの問題ではないようです。オランダの研究者ケッセルスさんが、患者が医療の情報をどのくらい覚えているかについての研究をまとめた2003年の論文では、次のような点が紹介されています(出典:Kessels, R. P. C.「Patients’ memory for medical information」Journal of the Royal Society of Medicine, 96(5), 219-222/2003年)。
- 医療者から伝えられた情報の40〜80%は、すぐに忘れられてしまう
- 伝えられる情報が多いほど、正しく思い出せる割合は下がる
- 覚えている情報のうち、半分近くは不正確である
- 話して伝えるだけより、書いたものを添えたほうが覚えやすい
診察室で聞いた話は、誰にとってもこぼれ落ちやすいものです。だからこそ、付き添いがいるときは「聞きたいことを書いたメモを一緒に用意する」「言われたことを帰り道に二人で確かめる」といった工夫が役に立ちます。ただし、診察室に一緒に入るかどうか、内容を家族に伝えるかどうかは、親御さん本人の気持ちと医療機関の判断が優先です。本人の通院の不安を軽くする工夫は、一人で病院に行くのが不安な方へでもまとめています。
頼む前に、家族で決めておきたい3つのこと
1. 親御さん本人が納得しているか
いちばん大切なのは、親御さん本人の気持ちです。知らない人が来ると身構えてしまう方もいます。いきなり通院からではなく、近所のスーパーへの買い物や散歩など、短い時間から始めると慣れやすくなります。買い物の付き添いの使い方は買い物・ショッピングの付き添いを頼みたいときもどうぞ。
2. 当日の流れと、親御さんのペース
病院の名前と予約時間、受付の場所、帰りに薬局やスーパーに寄るかどうか。あわせて、歩く速さや休憩の取り方、耳が遠いなど話すときに気をつけることを先に伝えておくと、当日の付き添いがぐっとスムーズになります。当日に連絡がつくご家族の電話番号も、忘れずに伝えておきましょう。入院を控えている場合の準備は入院・退院の準備と付き添いが不安な方へにまとめています。
3. 移動の手段と、費用の払い方
こんなおっさんDo?では、おっさんが車を運転してお客様を乗せることはできません(お客様を乗せての運転は、法律で禁止されている白タク行為にあたるためです)。電車やバス、タクシーなどで一緒に移動します。料金は1時間1,000円で、おっさんの現地までの往復交通費と、同行中に発生した飲食代などの実費(おっさんの分を含む)を別途ご負担いただきます。お支払いは当日の終了後(現金またはPayPayなど)なので、親御さんが払うのかどうかも、事前に家族で決めておくと安心です。キャンセル料は前日50%・当日100%ですが、理由によってはかからない場合もあります。親御さんの体調で通院を取りやめるときは、まずご相談ください。
頼めること・頼めないことを知っておく
付き添いを頼むときは、できることとできないことを先に知っておくと、親御さんも家族も安心です。
▶ 頼めること
病院などへの同行、待合室で一緒に待つこと、買い物への付き添い、お散歩、話し相手。「誰かがそばにいてくれたら助かる」という場面のお手伝いです。
▶ 頼めないこと
体を支える・トイレの介助などの身体介護、医療行為、車での送迎、専門業者レベルの重い荷物の運搬はお引き受けしていません。詳しくはご利用にあたってのお約束をご覧ください。
身体介護が必要な場合や、歩くときに体を支える人が要るほど転倒が心配な場合は、介護の専門職の出番です。担当のケアマネジャーがいるならケアマネジャーに、まだの場合や何から始めればいいか分からない場合は、親御さんが住む市区町村の地域包括支援センターに相談してみてください。地域包括支援センターは、地域の高齢者の総合相談などを行う機関として市町村が設置しています。市町村から委託を受けて設置されているところもあります(出典:厚生労働省「地域包括ケアシステム」の説明を要約、介護保険法第115条の46)。専門職のサービスと、「ちょっと一緒にいてほしい」という付き添いを使い分けると、無理のない形が作りやすくなります。
行けない日の付き添いは、こんなおっさんDo?に
「こんなおっさんDo?」は、大阪市内を中心に、話し相手・付き添い・外出の同行をしているレンタルおじさんのサービスです。運営者は介護職員初任者研修課程(旧ヘルパー2級)を取得しているため、ご高齢の方の歩行ペースやトイレ休憩の取り方なども配慮しながらお付き添いします(医療行為や介護保険のサービスではなく、あくまで「経験のあるおじさんが隣にいる」付き添いです)。
親御さんが大阪市外にお住まいで対面が難しい場合も、LINE通話(全国対応)なら話し相手としてお使いいただけます。「どこまで頼めるかな」と迷ったら、まずはご家族からご相談ください。ご依頼内容や会話の内容は、外に漏らしません。






