自宅療養中の孤独がつらい方へ|家で人と話すための小さな工夫|こんなおっさんDo?

公園で歩行器を使う高齢の女性に付き添って歩く男性(こんなおっさんDo?)

 

病気やけがで、しばらく家で療養することになった。家族が「行ってきます」と出かけたあと、家の中はしんと静まり返り、聞こえるのはテレビの音だけ。体のつらさが少し落ち着いてくると、今度は話す相手のいない一日の長さが気になりはじめる。そんな日が続いていませんか。体を休めるのがいちばんの仕事の期間でも、人と話さない毎日を寂しく感じるのは、自然なことだと私たちは思います。この記事では、療養中に孤独を感じやすい理由と、研究で分かっていること、体に無理をかけずに人と話すための工夫をお伝えします。体調が急に悪くなったときや、気持ちの落ち込みがつらいときの相談先は、後半の「体調のことで迷ったときの相談先」にまとめています。

体は休めても、気持ちは休まらない

自宅で療養している方からは、たとえばこんな気持ちを聞くことがあります。

▶ 「連絡したら心配をかける」と思って、誰にも言えない

友人に「実はいま家で寝込んでいて」と伝えたら、気をつかわせてしまう。そう考えて、結局スマートフォンを置いてしまう。

▶ 寝ては起きての繰り返しで、一日の区切りがない

朝と昼と夜の違いがぼんやりして、気づけば曜日の感覚まで薄れていく。誰とも話さないと、そのぼんやりがいっそう強くなります。

▶ 家族が帰ってきても、病気の話ばかりになる

「熱は?」「薬は飲んだ?」と気にかけてもらえるのはありがたい。でも、ときには体のこと以外の、なんでもない話がしたくなる。

どれも、甘えやわがままではありません。外に出られない期間は、普段なら自然にあった人との会話が、まとめて消えてしまう時期でもあるのです。

「久しぶりの連絡」は、思っているより喜ばれる

「連絡したら迷惑かも」というブレーキについて、参考になる研究があります。アメリカのピッツバーグ大学のペギー・リウさんたちは、しばらく連絡を取っていなかった人などに、近況をたずねる短いメッセージや小さな贈り物を送ることについて、事前に計画を登録した13件の研究(本研究9件・補足の研究4件)を行い、2022年に発表しました(出典:Liu, P. J., Rim, S., Min, L., & Min, K. E.「The Surprise of Reaching Out: Appreciated More Than We Think」Journal of Personality and Social Psychology/2022年)。

  • 連絡をした側は、相手がどれくらい喜ぶかを、実際より低く見積もりがちだった
  • 連絡を受けた側は、「思いがけず連絡をもらえた」という驚きのほうに目が向いていて、その驚きが喜びの大きさと結びついていた
  • 見積もりのずれは、親しい相手より、少し距離のある相手とのあいだで大きかった

この研究は、療養中の人を対象にしたものではありません。また、論文の著者たちも、相手との関係にそぐわない連絡や、もともと関係がぎくしゃくしている相手への連絡では、結果が違うかもしれないと書いています。ここからは研究の結論ではなく私たちの考えですが、「こんなときに連絡したら迷惑かな」と感じている相手にとっても、あなたからの一言は、思っているより嬉しいものかもしれません。

療養中に、無理なく人と話すための工夫

療養中は、体を休めることが第一です。安静の指示や、人と会うことについて主治医から言われていることがあれば、そちらを優先してください。そのうえで、体に負担をかけにくい工夫をいくつか紹介します。

1. 返事を急がなくていい一言から始める

いきなり電話をするのが気が重いときは、「最近どうしてる? こっちはいま家で療養中」と、相手の近況をたずねるメッセージを一言だけ送ってみる。「返事はいつでもいいよ」と添えておけば、相手も自分も気がらくです。

2. 体調のいい時間に、短く声を出す

話すのにも体力を使います。調子のいい時間帯に10分だけ、と決めておくと、疲れたときに切り上げやすくなります。文字のやりとりを声に切り替える工夫は在宅ワークで一日中誰とも話さない方へでも紹介しています。

3. 病気の話をしなくていい相手もつくる

家族や親しい人は、どうしても体調のことを心配してくれます。それとは別に、天気や昔のテレビ番組の話など、病気と関係のない話ができる相手がいると、気持ちの切り替えになります。眠れない夜の話し相手の使い方は寝る前の30分だけ誰かと話したいにまとめています。

体調のことで迷ったときの相談先

命にかかわると感じたときは、迷わず119番に電話してください。話し相手は、体の相談相手の代わりにはなりません。急ぎではない体調や薬の相談は、主治医やかかりつけの医療機関にしてください。気持ちの落ち込みが長く続くときも、一人で抱えずに主治医に伝えてみてください。主治医に話しにくいときは、厚生労働省「まもろうよ こころ」で紹介されている電話相談窓口も利用できます。

大阪府では、急な病気やけがで救急車を呼ぶか迷うときや、どこの救急医療機関にかかればいいか分からないときに、「救急安心センターおおさか」(#7119 または 06-6582-7119)に電話で相談できます。24時間365日、看護師が医師の支援体制のもとで相談に応じ、緊急性がある場合は救急車が出場します(出典:大阪府「突然の病気やケガで迷っている」/2026年10月時点)。大阪府外にお住まいの方は、地域によって相談窓口が異なりますので、お住まいの自治体の案内をご確認ください。

療養中の話し相手に、こんなおっさんDo?

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横になったままでも、声はつながります。

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