
なんとなくスマホを開いて、友人の楽しそうな写真や、同期の昇進報告、きれいに整えられた休日の投稿を眺める。見終わったあと、なぜか少しだけ気持ちが重くなっている——そんな経験はありませんか。この記事では、SNSを見るとまわりと比べて孤独を感じてしまうときに何が起きているのかを整理し、少し楽になるための距離の取り方を、大阪市内を中心にレンタルおじさんをしている「こんなおっさんDo?」がご紹介します。
SNSを閉じたあとに、なぜか寂しくなる
不思議なのは、SNSを見ているあいだは、決してひとりぼっちではないということです。むしろ大勢の知り合いの近況が次々と流れてきて、情報としてはにぎやかなくらい。それなのに、画面を閉じて部屋を見回した瞬間に、急に静けさが際立つ。
これは「人と関わっていないから寂しい」のとは、少し種類が違う寂しさです。関わってはいるけれど、こちらは見ているだけ。声をかけられたわけでも、返事をもらったわけでもない。誰かの一日を数十件分も受け取ったのに、自分の一日については誰にも話していない——その落差が、あとから効いてくるのだと思います。
人と比べてしまうのは、性格の問題ではありません
「いちいち他人と比べる自分が嫌になる」とおっしゃる方は多いのですが、比べること自体は、人にもともと備わった働きです。心理学では、人が自分の状態や能力をはかるときに他人を物差しにする傾向を「社会的比較」と呼びます。1954年にフェスティンガーが提唱した考え方で、自分より上に見える相手と比べることは「上方比較」と言われます。上方比較は「自分もこうなりたい」という励みになることもあれば、落ち込む方向に働くこともあるとされています。
つまり、比べてしまうこと自体は止められませんし、止める必要もありません。問題は、比べる相手と、比べ方のほうです。
▶ 比べる相手が、いつのまにか「全世界」になっている
昔なら、比べる相手はせいぜい同じ職場や近所の数人でした。今は、学生時代の同級生も、前職の同僚も、会ったことのない有名人も、同じ画面に並んで流れてきます。しかも流れてくるのはそれぞれの人生の「うまくいった日」だけ。何百人分もの当たりくじを一列に並べて、自分の毎日と見比べているようなものです。これで気持ちが沈まないほうが不思議だと思いませんか。
流れてくるのは、その人の一部だけ
SNSに投稿されるのは、だいたい「見せたい場面」です。旅行先の写真は上がっても、帰りの電車で疲れ切っている顔は上がりません。家族の記念日は流れてきても、その前後の言い争いは流れてこない。頭では分かっていても、毎日浴びるように見ていると、そちらが標準の暮らしのように思えてきます。
ですから、「まわりは充実しているのに自分だけ」と感じているとき、その比較はそもそも成立していません。相手の編集済みのハイライトと、自分の未編集の一日を並べているからです。連休やお盆など、まとまった休みのあいだにこの感覚が強くなる方は、長期連休が一人でつらい・寂しいと感じる方へもあわせてご覧ください。
▶ 「特にきっかけはない」孤独も、珍しくありません
内閣府の「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査」(令和6年12月調査/令和7年4月公表・満16歳以上、有効回答10,876件)では、孤独感に影響を与えたと思う出来事をたずねています。孤独感が比較的高い人(「しばしばある・常にある」「時々ある」「たまにある」と答えた4,183人)の回答で多かったのは「家族との死別」24.6%、「一人暮らし」18.8%などですが、「特に影響を与えたと思われる出来事はない」と答えた人も16.3%いました。
大きな出来事がなくても、寂しさは訪れます。「こんなことで落ち込む自分はおかしいのでは」と思う必要はありません。
SNSとの距離を、少しだけ変えてみる
アカウントを消す必要はありません。今日から試せる、小さな調整をご紹介します。
▶ 見て落ち込む相手は、静かに非表示にしていい
多くのSNSには、フォローを外さずに投稿だけ表示しない機能(ミュートなど)があります。多くの場合、相手に通知はいきません(詳しい仕様はお使いのサービスの説明をご確認ください)。嫌いになったわけでもありません。しんどい時期だけ視界から外す、という使い方をしてかまわないと思います。
▶ 画面を見る時間そのものを、少し短くしてみる
先ほどの内閣府の調査では、スマートフォンの使用時間(画面を見る時間)別に見ると、孤独感が「しばしばある・常にある」と答えた人の割合は、7時間以上8時間未満、8時間以上の層で高くなっていました。ただしこれは、長く見るから孤独になるのか、孤独だから長く見てしまうのかまでを示した調査結果ではありません。断定はできませんが、寝る前の30分だけでも画面から離れてみる価値はあります。
▶ 「見る側」から「使う側」に回ってみる
眺めるだけの時間が長いほど、比べる材料だけが増えていきます。誰かの投稿にひとことコメントする、久しぶりの相手にスタンプを送る。やりとりが一往復あるだけで、同じSNSでもあと味はかなり変わります。
▶ 比べる相手を「昨日の自分」に戻す
他人と比べると、勝ち負けにしかなりません。昨日より少し早く起きた、片づけを一か所だけ進めた。そのくらいの小さな比較のほうが、気持ちは前に進みます。外に出るきっかけづくりについては、引きこもりがちな毎日に「ちょっとだけ外」を作る習慣もあわせてご覧ください。仕事の環境から会話が減っている方は、在宅ワークで一日中誰とも話さない方へもご参考になるかもしれません。
誰かに話すと、画面の中の他人は小さくなる|こんなおっさんDo?
案外きくのは、実のところ「画面の外の誰かと、少し話すこと」だったりします。声を出して笑ったあとに同じタイムラインを見ると、さっきまで気になっていた投稿が、ずいぶんどうでもよく見えることがあります。
とはいえ「SNSを見て落ち込んだ」という話は、友人にはしにくいものです。相手が投稿している側かもしれませんし、心配されるのも気が重い。そんなときの選択肢のひとつが、レンタルおじさん「こんなおっさんDo?」です。おじさんはあなたのタイムラインを知りませんし、誰かと比べることもしません。ぼんやりした「なんか最近しんどい」という話のまま持ってきていただいて大丈夫です。
料金は1時間1,000円。大阪市内なら喫茶店や散歩がてら直接お会いできますし、LINE通話なら全国どこからでもご利用いただけます。まずは15分だけ話してみる、という使い方については雨の日の休日、一人が孤独でつらい方へ|誰かと話せる15分の作り方でも触れています。頼み方はご利用のルールにまとめています。
誰かの投稿がまぶしく見える日は、それだけあなたが自分の暮らしをちゃんと見ている日でもあります。比べる相手を少し変えるだけで、同じ一日の見え方は変わってきます。



